
大気汚染について
大気汚染とは、人間の経済的や社会的活動、火山噴火などの自然災害などによって大気が有害物質で汚染され、人の健康や生活環境、
動植物に悪影響が生じる状態のことです。大気汚染の原因となる主な発生源と物質は、自動車などの排出ガスが由来の浮遊粒子状物質や
二酸化窒素、工場などからの排煙を由来とする亜硫酸ガス、揮発性有機化合物、廃棄物の焼却排ガスを由来としたダイオキシン類、スス、
建築物の解体を由来とするアスベスト、自然由来としては火山活動や黄砂の粉塵などもあり、多岐にわたります。大気に浮遊し大気を
汚染する物質であれば気体、液体、固体を問いません。すす等の微粒子が空中に漂い、煙とも霧とも着かぬ状態になるのをスモッグといいます。
また、タバコの煙も大気汚染とする見方もあり、米国カリフォルニア州においては喫煙の煙を大気汚染物質に指定しています。
汚染物質の直接の影響は、人間の呼吸器系統への障害がまず挙げられ、咳き込みや眼の痛みなどを起こすこともあるようです。
四日市ぜんそくなどはその代表的な例です。また、光化学スモッグの発生は、病気の原因となるだけではなく、市民が外出を控えたり、
小・中学校での体育の授業が中止されるなど、市民生活や経済活動の妨げになります。ほかに、酸性雨も大気汚染物質が原因であり、
その影響は、森林破壊や農作物への影響など、広範囲にわたるそうです。現代では、温室効果ガスの増加で地球温暖化を引き起こすことが
懸念されています。
日本においては、1970年代まで大規模な工場地帯や幹線道路沿いで大気汚染がひどかったようです。スモッグや光化学スモッグの発生に
よって多くの被害が出ました。北九州市では、高度経済成長に伴う製鉄所の増産の影響で、1969年に日本初のスモッグ警報が発令されています。
日本では大気汚染のうち、イオウ酸化物によるものは工場に脱硫装置が設置されたため、現在では環境基準を越えることは滅多にありません。
しかし、光化学オキシダントについて環境基準を達成している測定地点はほとんどなく、年々上昇傾向にあります。そのため、
光化学オキシダントは「最後の大気汚染問題」と言われています。その発生原因についてはこれまで、自動車などの排気ガスに含まれる
窒素酸化物や炭化水素が太陽光の紫外線によって分解され、オゾンやパーオキシアセチルナイトレートができるためと言われてきました。
最近になって排ガス規制により大気中の窒素酸化物の濃度が減少しているにも関わらず、光化学オキシダントの濃度は緩やかに上昇している
という結果が出ていて、その発生機構の見直しが求められているそうです。 主要都市では、排出ガス規制の遅れていたディーゼル自動車が
原因とされる大気汚染が改善されていないといわれ、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に
関する特別措置法などによるディーゼル車への規制や、一定年数を過ぎた使用過程車への自動車税の割増措置が行われています。
東京や大阪の都市圏や工業地域では現在でも光化学スモッグ注意報が出ることもあります。


ダイオキシンとは
ダイオキシン類 は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニルの総称です。
これらは塩素で置換された2つのベンゼン環という共通の構造を持ち、類似した毒性を示します。ダイオキシン類は塩素を含む物質の
不完全燃焼や、薬品類の合成の際、意図しない副合成物として生成します。
日本では1997年に豊能郡美化センターの敷地内とその周辺で高濃度のダイオキシンが検出され社会問題となりました。
また、日本におけるダイオキシン汚染原因の一つとして特定の農薬の使用が指摘されています。特に水田除草剤に使用されたPCP、
土壌殺菌剤PCNBなどには不純物としてダイオキシン類が含まれており、日本全国で汚染があったと推定されています。
1999年にダイオキシン類対策特別措置法が制定されて対策が行われました。現在はPCPなどの使用は禁止されており、
汚染は徐々に減少しているものと考えられています。
